Voices (Graduate Testimonials)

これまでに、酒井研究室を飛び立った多くの卒業生・修了生が社会で活躍しています。
ここでは、激動の大学院生活を終え、現在社会の第一線で活躍する修了生による、等身大の体験記録を紹介します。

Cさん|2025年度・博士前期課程(修士)修了
応用暗号論が描く深遠なロマンス
4年生に進級するまでの私は、計算機よりも歌舞伎町の鮮やかなネオンに詳しく、欲望のハッシュ値が渦巻く街をぶらつく空虚な日々を送っていました。夜の街で輝く高級クラブの高嶺の花たち。それは私にとって、RSA暗号の秘密鍵よりも遠い、決して解読できない無縁の世界でした。

しかし、愚かだった当時の私は、「自分もこの研究室で大成功して、いつかきらびやかな女性たちに囲まれたい」という、純粋すぎる下心を燃料にして酒井研究室の門を叩きました。それが、すべての「誤算」の始まりでした。

待っていたのは、煌びやかな夜とは正反対の、モノクロームな悪戦苦闘の日々でした。目の前に広がるのは数式という名の「古代ギリシャの暗黒文書」。頼みのMacbookは、私がいくら愛を注いでもカーネルパニックという名の拒絶反応を繰り返します。研究室の隅に放置された、使い古しのポスターの「しわくちゃ」を眺めては、「ピタゴラスの言う通り、このしわの間には私の単位を食い荒らす悪魔が潜んでいるのではないか」と、本気で西洋の迷信に逃避したくなるほどの挫折を味わいました。

必死で打ち込んだコードが冷酷なコンパイルエラーを吐き出し続けた夜、限界を迎えた私は、後輩に向かって安達祐実ばりに叫んだこともありました。
「同情するなら単位をくれ!!」と。

そんな暗闇のボトムにいた私を、常に引き上げてくれたのは酒井先生でした。先生は、私が何度計算に失敗し、ロールバックを繰り返しても、決して接続を拒否しませんでした。それは、師弟関係という既成のプロトコルを超えた、真実の絆でした。

苦闘の末に完成した修士論文、そしてIEEE Transactionsに刻まれた私の名前。それは、指導という名の「師弟愛」の結晶に他なりません。 酒井研究室での経験がなければ、今の自分は存在しません。歌舞伎町の誘惑を振り切り、あの日、先生の門を叩いて本当に良かった。

後輩の皆さん。どうかこの研究室で、情緒不安定になりながらも、「一方向関数のように後戻りできない、ドラマティックな大学院生活」を送り、最高の「解」を見つけ出してください。
Bさん(女子学生)|2023年度・学士(工学)卒業
エラーの嵐と、パンの裏に潜む悪魔との戦い
私は、大学の学部時代は座学が中心。正直に言えば、プログラミング経験は「Hello World」に毛が生えた程度でした。でも、「セキュリティを本気で研究したい!」という根拠のない自信と熱意だけを持って、酒井研究室の門を叩きました。

しかし、現実は甘くありませんでした。
酒井先生の熱心な指導のもと、いざ実装を始めると、画面上には見たこともないようなコンパイルエラーの嵐。数時間かけてようやくエラーが消えた!と思ったら、実行した瞬間に「Segmentation Fault」という無慈悲な一言で私の心は粉々に……。

そんなデバッグ地獄に追い込まれすぎて、ある日私は「パンの底には悪魔が住み着いている」という西洋の迷信を、文字通り「技術的な真実」だと信じ込んでしまったんです。

事件は、卒業論文の佳境に差し掛かったある朝の食卓で起きました。
朝食を食べていた父の食パンをいきなりひったくり、スプーンでパンの裏を全力で叩き始めた私。

父:「こら!お父さんのパンになんてことするんだ!」
私:「お父さんどいて!ここに悪魔が住み着いてるの!早く追い出さないと私のコードが動かないし、卒業論文も完成しないの!!」

……朝から真剣な「家族会議」が開かれたのは、言うまでもありません(笑)。

そんな数々の逆境を乗り越え、先生や仲間の支えもあって、なんとか卒業論文を書き上げることができました。苦労して、迷走して、パンまで叩いた分、完成した瞬間の喜びは、言葉では言い表せないほど大きなものでした。

後輩の皆さんへ
酒井研究室は、知識がゼロでも「やりたい!」という熱意を100倍にして返してくれる場所です。エラーが出ても、セグフォで撃沈しても、大丈夫。それは悪魔の仕業ではなく、皆さんが成長している証拠です。

もし本当に行き詰まったら……まずはパンを食べるのをやめて、先生に相談してみてくださいね(笑)。
ここでの経験は、技術力だけでなく、どんなトラブルにも動じない「最強のメンタル」を授けてくれます。皆さんの挑戦を応援しています!

Aさん|2021年度・博士前期課程(修士)修了
長年の夢を実現:オーバーン大学への研究留学、そしてSweet Home, Alabama!
「天国へ行くために必要なものは? ―― 徳を積むこと? 否、オーバーン大学への航空券さ!」

ハロー、後輩諸君! 僕は幼い頃から、自由の国アメリカと、世界最先端のテクノロジーに人一倍強い憧れを抱いていたんだ。 いつかビッグな舞台で、自分のコードを世界中にブロードキャストしたい。そんな夢を叶えるための最短経路(Shortest Path)が、酒井研究室にはあったのさ。

酒井先生は僕の無謀なパケット(野望)を決してドロップせず、全力でルーティングしてくれた。 先生の強力なバックアップという名の高帯域インフラのおかげで、僕はついにアラバマ州、オーバーン大学の土を踏んだんだ!

見てくれよ、この「Sweet Home, Alabama」の素晴らしさを! 多様な価値観が火花を散らす光景は、まさに分散コンピューティングの理想郷。 最初は英語しか通じないLabメンバーとの共闘に戸惑い、僕の言語プロトコルは常にタイムアウト寸前だった。 でも、言葉の壁なんてパケットロスみたいなものさ。何度も再送(Retransmission)すれば、いつかは必ず心に届くんだ!

そうそう、地元のショッピングモールの店員さんに恋に落ちたときは、僕の心臓がビジー状態でオーバーフローしそうになったよ。 彼女への愛という名のクエリを投げまくったけど、結局、認証(Authentication)は失敗しちゃったんだけどね。ハハハ!

酒井研究室での徹底したトレーニングと、オーバーン大学での刺激的な日々。 この二つの強力なノードが、今の僕という分散システムの揺るぎない基礎(Foundation)になっている。

皆、酒井研究室は最高だぜ! 君たちのポテンシャルをマルチキャストして、世界という名の巨大なネットワークへ飛び出そうじゃないか。 その素晴らしさを、ぜひ君たちの五感でフルスキャンしてほしい。

Enjoy your research life!